先週の土曜日、阪神競馬場で行われたデイリー杯2歳S。
2歳出資馬のレッドベルオーブが出走しました。
去年の同レース、全兄レッドベルジュールが勝利したレースでしたが、現地観戦に行けなかったのは翌日から北海道2泊3日の旅行があったから。
その後、行っておけばよかったなと思ったのは言うまでもなく。
今回も直前までどうしようかなと決めかねてましたが、結局は行かなくてはとなって日帰りで現地観戦することにしました。
11Rのパドック。
馬体重は前走の中京未勝利戦から2キロ減の468キロ。
まぁ2キロなんて誤差の範囲。
クローヴィス、ヴァイトブリックを見た後なので、それに比べれば全然おとなしく見える周回。
ちょうど1年前に北海道で見た時と変わらずバランス感のあるカッコいい馬体でした。
止ま~れで真正面に立ってチェックする藤原調教師。
福永騎手が騎乗。
この時、藤原調教師の視線はベルオーブではなく他の馬へ。
どの馬を見てるのかなと視線の先には3番のスーパーホープでした。
本馬場に入場して、ここでは早く駆け出したいという雰囲気。
ゴールから100mほど行ったところで切り返し、1コーナーから1600mのスタート地点走っていきました。
レース前の焦点は、どれくらいのタイムが出るかということでした。
中京の未勝利戦では2歳レコードを更新する1分33秒1の走破時計。
この日、クローヴィスが4着に敗れた阪神6Rの2歳未勝利・芝1800の勝ちタイムが1分45秒6。
あまり騒がれないけれどこれが実はオブセッションと並ぶ2歳タイレコード。
この時計が出るのを見て、デイリー杯2歳Sはベルオーブが普通に走れば確実に32秒台の走破時計になるだろう。
戦前には阪神JFでレシステンシアが記録したレコードが1分32秒7というのを確認していましたが、2戦連続レコード更新の可能性は十分あるなと見ていました。
最終的に単勝1.3倍の圧倒的な1番人気。
阪神芝1600は去年ベルジュールが走った朝日杯FSと同じ舞台。
同じスタート地点からレースがスタート。
2番枠からまずまずのスタートを切ると、ホウオウアマゾン、カイザーノヴァの矢作厩舎の2頭が前に出て、外にコスモアシュラを置いた内から進める形に。
すると早くも頭を上げる仕草で折り合い面の課題を見せます。
さらに400mを過ぎたあたりで外からスーパーウーパーがスーッとハナに立っていくところでも、つられて行きたがる面を見せますがなんとか福永騎手が収めている格好。
先頭の600m通過が35秒0。
遅くはないペースで入っていって、8頭がほぼひとかたまり。
内を進んでどこで前が開くかという隊列のまま直線へ。
「内に行った2番のレッドベルオーブ」と実況の声で内ラチ沿いを選択したことがわかり、これは去年のレースの再現だと力が入ります。
抜け出していたのは2番人気ホウオウアマゾン。
内から迫るレッドベルオーブ。
ちょうど自分の目の前、ゴール200m手前で前に出たかという瞬間でさらに力が入りました。
その後も2頭の競り合いが続き、差し返されるかとホウオウアマゾンもしぶとく粘ってきましたが、最後はこれを競り落として見事に『1着』で入線!
さすがに力が入って、ちょっと声が出てしまいました。
他の馬が引き上げた後に1頭だけで帰ってきました。
走破時計は「1分32秒4」
2戦連続のレコード更新となりました。
2020.11.14 : 11月14日レース後コメント(1着) |
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藤原調教師「今日は勝てたことが一番大事。自分で馬場を歩きましたが、返し馬でパンパンと音がするくらいとても硬い状態。2走連続のレコード決着になり、脚元への反動がないかが心配です。この馬の絶対能力に対して、体の成長がまだ伴ってきていないので、馬体重が減っていたことや折り合い面など色々課題はありますが、人間でいえばまだ小学生。これから馬が成長していくにつれて、これはいくらでも修正していけることです。脚元や馬体に異常がないことが、とにかく大事。まずはしっかりレース後のチェックとケアをしていきます」 |
2020.11.18 : 栗東:藤原英昭厩舎 |
調整メニュー:引き運動 助手「レース後は厩舎周りの引き運動で調整しています。昨日、今日と馬体と脚元をチェックしましたが、今のところ異常はありません。使ったなりの疲れはありますし、気もまだ入っているので、引き続き軽めの運動で疲れを取っていきます」 |
2020.11.19 : 栗東:藤原英昭厩舎 |
調整メニュー:角馬場 藤原調教師「今朝は角馬場で軽めに動かしてみました。今のところ、内面の疲れは感じるものの、脚元に異常はありません。ただ、若駒なので古馬のようにセーブできず、ここ2戦レコードでガムシャラに走っていますからね。今週一杯は軽めの調整で様子を見させてもらいます。来週末くらいの状態を見て、今後の予定を立てようかと思っています」 |
東京サラブレッドクラブ公式より |
レース後は藤原調教師のコメントがすべて。
まずはここで勝ったことで十分な賞金を確保できたことが大きいです。
そして2走連続のレコード決着での脚元の反動。ここは十分なケアが必要になるでしょう。
とにかく現時点では完成度は高い、けれども肉体面、精神面の課題といったところではまだまだこれからという状況。
それでこのパフォーマンスですから相当の伸びしろがあるというのは陣営も感じてくれているところ。
馬の成長に合わせてさらに良い方へ、高みへ導いてくれることをだろう藤原厩舎に全幅の信頼、全権委任です。
直近では年内の2歳G1に向かえるかというのを見極めるということになりそうですが、見据えるのは兄が果たせなかった3歳クラシックロード、のはず。
そこに辿り着けるように確実にステップアップしてくれればと思います。
あらためて、最初に一口馬主として出資したレッドファンタジアから、素晴らしい体験をさせてもらっていることを実感する兄弟重賞制覇となりました。