5歳馬アランブレラ。
先週土曜の中京ダート1800の自己条件に出走しましたが、15頭立て15着。勝ち馬から5秒2差のT.Oという内容でした。
20/9/26 尾関厩舎 |
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26日の中京競馬ではややゆっくりとしたスタートで促しながら中団後方からの競馬。向こう正面から促していく必要があり、何とか追い上げていきたかったが、前へ迫ることができず15着。これまでの過程や条件から変化をつけて今回のレースへ臨んでみました。ひと叩きして馬体は絞れましたし、ブリンカーの着用の助けもプラスして前進を期待していたのですが、残念ながら前走に続きしんがり負けを喫してしまいました。道中の走りにアンバランスなところが見られたようなので、レース後の状態を慎重に確認して、そのうえで今後について検討していきます。 |
キャロット公式より |
前走はチークピーシーズ、今回はブリンカーと馬具を使って前向きな走りを引き出そうとしましたが、ダート替わりの今回もスタートから進みがいまいち。
中団後方から脚が溜まっていれば良かったんですが、それもなくまた4コーナー手前では置かれるように最後方。
そこからは脚の回転が速まることはなく、集団からどんどん離されての最下位という結果でした。
レース直後は普通の更新で、今回の結果なら1から造りなおすくらいの立て直しが必要だなと思いましたが、昨日の更新で引退の発表となりました。
20/9/30 引退 |
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「前走では前向きさを欠いているような進みの悪さだったので、調教での感触が悪くなかったブリンカーを実戦でも着用して少しでも前向きさを出し、また、中央復帰後芝に専念していましたが条件を替えてダートへ向かいました。タイトなスケジュールで連戦したこと、そして輸送も相まって絞れた体でレースへ向かうことができましたし、うるさくなる馬なので厩舎装鞍にしているところ落ち着いて対応でき、パドックでも感じ良く歩くことができていたので楽しみにして見守っていました。ジョッキーが跨っても問題はなく、まずまずの様子で競馬へ向かえたので何とかいい競馬をしてほしいと願っていました。ジョッキーとの事前打ち合わせでは、出るようならば積極的な形もありということを話していましたが、思うように出ず、行き脚もあまりつかなかったので後方からになりました。ジョッキーに聞くと、序盤の走りは良かったものの、向こう正面に入って左から右に手前を替えたときにガクッとなり、走りのリズムに違和感を覚えたということでした。その後、3~4コーナーへ向かうところでは手前をスイッチできたようですが、最初の1~2コーナーのときの行きっぷりとは全然違ったということでしたね…。直線で再び右手前を出せているものの、馬の気持ちが切れてしまったかのように反応なく終わってしまいということでもありました。レース後の歩様を慎重に確認していると、トモにわずかなぎこちなさはあるものの大きなハ行はしていません。能力、適性といったこととは別のところに敗因があったのかもしれませんが、それでも見どころなく一番後ろを走ってしまうことになってしまいました。様々な点を見直してみた今回は少しでもいいので何かしら変化を見せる必要があったのにもかかわらず、このような結果になってしまいまことに申し訳ございません」(尾関師) 育成時代から右前脚に疲れやすさを見せていた馬で、移動の態勢を整えられたのは2歳11月でした。3週間ほど時間をかけてゲート試験をクリアしたあとは疲れを癒し、さらなる成長を促すべくNF天栄で乗り込んでいきました。ここでも右前脚に疲れが見え隠れしていましたので慎重に調整を行ったうえで再入厩し、迎えた初陣は2月の未勝利戦でした。既走馬相手でも能力で対応してくれると信じて送り出しましたが、わずかに遅れを取り悔しい2着となりました。レース後はやはり右前脚を気にしてしまい、繋靱帯部の傷みだけでなく小さな骨片が見られたことから患部の回復とその後の調整に時間を要してしまい、何とか間に合わせた2戦目が9月の中山未勝利戦でした。残念ながらここで勝ち上がることができなかったため南関東へ移籍したものの、なかなか勝ち切れずにいました。この馬に適した条件となると賞金面から中央復帰時が2勝クラスになることは事前に把握できていましたが、結果を出し切れない状況から最後はこの馬に合った舞台をと臨んだところ、後続を2秒以上突き放す圧勝劇。前2勝も完勝と言っていい内容から、中央復帰に8戦を要し、また、復帰が2勝クラスからのスタートになるとは言え頑張ってくれるのではないかと祈るような思いでいました。実際のところ、中央復帰戦では3着と好走を見せてくれました。ただし、そのあとは1度掲示板に載ったのみで厳しい状況が続いていました。気持ちの面で後ろ向きなところが目立って来てもいましたので、ブリンカーを着用し、フレッシュさを求めて芝からダートに条件を変更しました。また、休み休みで使っていた調整過程を続戦の形にするなど、多くの点を変更して今回臨みましたが、残念ながら成績を残すことができませんでした。現状ではなかなかメドが立たないため尾関知人調教師と協議を行った結果、ここで現役続行を断念し、競走馬登録を抹消することになりました。会員の皆様にはまことに残念なことと存じますが、何卒ご理解賜りたくお願い申し上げます。なお、本馬に出資されている会員の方へは追って書面を持ちましてご案内いたします。 |
キャロット公式より |
どうしても引っかかってしまうクラブの言う「中央復帰時が2勝クラスになることは事前に把握できていましたが」ですが、これは南関で2勝して残り1勝の時点でのことで、把握するのが遅すぎるんですよね。
南関移籍時点で中央2着1回で200万の賞金を持っていて、1勝クラスでの中央復帰までの300万を超えないように3勝するか、移籍した時点でそれを計画するべきでした。
まぁ南関での初戦の2着がなければ3歳の内に2勝で中央に戻れていたということもありますが、そこで負けた時点でクラスの低い内に賞金の安いレースで勝利を重ねることを選択していくべきだったと今でも思います。
2勝クラスで戻ることは承知の上で挑んだちょうど1年前の大井1800戦で大差の圧勝の3勝目を挙げ中央復帰。
その余勢を駆る形で11月の東京芝2000に出走。
直線の踏み遅れがありながらも3着と2勝クラスでも大丈夫と思いましたが、今年になってからは全くいい走りができなくなってしまいました。
思うに、中央復帰初戦も大井を勝った流れのままのレースだったわけで、これってミッドウェイFの仕上げが良かったってことなんじゃないかと思ってしまいました。
ノーザンファーム、尾関厩舎に戻って大型の馬体、一度やっている脚元をどうしても気にしてしまい攻めた調整ができず仕上げきれずに使い続けたのが今年の初戦、春の競馬だったのでは・・と感じるところですね。
2歳育成時に頓挫して3歳2月の中山未勝利戦でようやくのデビュー。
その時の走りが鮮烈で2着に終わったものの能力は確かと思った直後に右前脚を骨折。
振り返ってみてそれがなければと思いますが、精神面の影響なのか走りきれなくなってしまったことも含めて競馬の難しさですね。
出資馬の引退で納得しての引退ということは少ないですが、アランブレラも悔しさの残る引退という感じです。
大きな期待をかけ、結果いい走りができたのは少なかったかもしれませんが、ここまで楽しませてくれてありがとうという気持ちです。